日本の夏といえば夏祭りや花火大会、盆踊りなどの行事のほか、近年では野外フェスなど様々なイベントが開催されています。夏の暑さを吹き飛ばすような熱気に包まれたイベントでは、多くの人が熱中症で倒れるという事態が発生しています。今回は、屋外イベントでの熱中症対策についてご紹介します。
夏のイベントは熱中症のリスクがいっぱい
夏に開催されるイベントでは、熱中症になりやすい条件が多数挙げられます。以下の4つについては、特に注意をする必要があります。
日陰が少なく直射日光を受けやすい
イベント会場自体が直射日光にさらされる屋外のイベントでは、熱中症のリスクが非常に高くなります。また、屋内のイベントであっても、屋外での行列待ちの時には熱中症のリスクが高くなるので注意しましょう。
人混みの中に長時間いなければならない
イベントの最中は人混みの中にいる必要があり、人間の熱によって体温の逃げ場がなくなって熱中症のリスクが高くなります。気分が悪くなる前に、人の少ない休憩スペースの場所などを分かりやすく表示するなどの工夫が必要です。
参加者の熱中症対策が不十分
屋外で開催される夏フェスのようなイベントでは、特に初めての参加者は熱中症対策が不十分なこともあります。水分補給ができる自動販売機や飲食ブース、休憩スペースなどを分かりやすく表示して注意喚起することが大切です。
イベント終了後に体調が悪化することも
イベント終了と同時に高揚していた気分が落ち着いて、体調が悪化する場合もあります。
イベント運営側の熱中症対策が必要
夏のイベントの熱中症対策には、運営側の事前準備が非常に重要になります。「環境省 熱中症予防情報サイト」では、イベント参加者が熱中症にならないための具体的な工夫例を紹介しています。
夏季のイベントにおける熱中症対策/運営上の工夫
a.待機列を作らない工夫と日陰への誘導
- 再集合時刻を明示して長時間の待機をさせない(整理券の配布等を含む)
- 「指定席」を導入して、席確保のための待機をさせない(少なくする)
- 待機者をなるべく直射日光にさらさせない(木陰や施設の影に誘導する)
b. 開場時の混雑緩和の工夫
- 入場する施設のゲート数を増やす、幅を広くする
- 観客が集中しないようにイベントのプログラムを工夫する
c. 終了時の混雑緩和に配慮
- 退場口の数を増やす
- 待機のための広い空間を確保する
- 退場から交通機関利用場所までを一方通行にする
- 性急な退去を要請しない
d. 施設等のわかりやすい表示
- 給水所または自動販売機、売店等の場所を明示する
- 救護所の場所を明示する
- スタッフの存在を目立たせ、参加者が声をかけやすくする
e. 休憩場所、飲料の確保
- イベント参加者が休憩できる場所を確保する
- 待機列の場所を考慮して、給水器、自動販売機を配置する(イベント休憩時間での給水の集中も考慮)
- 自動販売機などの欠品を防止する
事前に準備をすることで、イベント参加者の熱中症になるリスクを減らすことができます。
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